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コニー・ウィリス著「ブラックアウト」「オール・クリア」

コニー・ウィリス著「ブラックアウト」「オール・クリア」

2週間かけて、コニー・ウィリス著「ブラックアウト」と「オール・クリア」を読み終えた。前篇「ブラックアウト」後篇「オール・クリア1、2」の合計3冊で一つのストーリー。
この作品は「ドゥームズデイ・ブック」「犬は勘定に入れません」に続くオックスフォード大学史学部シリーズの3作目で、第二次大戦下のイギリスでの現地調査を行う史学生達が思わぬ事態に巻き込まれてしまうタイムトラベルもの。ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞の三冠を受賞している。

前2作品は文庫化されているが、3作目は新☆ハヤカワ・SF・シリーズから刊行。
この叢書は、ハヤカワミステリではお馴染みのポケミスの姉妹叢書として、1974年まで刊行していたハヤカワ・SF・シリーズを復活したポケット判である。

ハヤカワ・SF・シリーズは銀背と呼ばれ、「虎よ、虎よ!」「タイムマシーン大騒動」「縮みゆく人間」などが我が本棚でその銀色の背を見せている。リアルタイムで購入したものではなく、以前ヤフオクで入手したもの。そこに新たにこの3冊が加わった。
でも「モロー博士の島」「ムーン・プール」は金背で、「ミクロ潜航作戦(ミクロの決死圏)」は白背だったりする。

「ブラックアウト」と「オール・クリア」は、上下二段のポケット判で、400字換算で3,500枚の大作である。文庫本7-8冊に相当すると思う。
著者は完成までに8年を費やし、翻訳の方も2年掛かった分厚さなので、読み始める際にちょっと気合を入れたくなるが、前作同様読み出すとそんな心配は一掃される。121章から成る各章にはそれぞれ読み手を惹きつけるトピックが用意され、私の頭の中で登場人物達がそれらを勝手に演じているのではと思いたくなるほどの淀みのない精緻さで描かれ、全篇飽きのこない構成になっている。こういう作家をストーリーテラーというのだろう。

最終章のサプライズには、私の読解力の乏しさから伏線をなかなかうまく繋ぎ合わせることができず何度も読み返してしまったが、コニー・ウィリスの個人的には一押しの「航路」にも匹敵する満足感を味わうことができた。

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