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ヴィジュアル系バンド

ヴィジュアル系バンド

ダイエースプレーで極端に髪を逆立てた「髪立て」ヘアスタイル、中世ヨーロッパの貴族をイメージした重厚なコスチューム、歌詞には、絶望・孤独・闇といったネガティブな表現はもとより、薔薇・十字架・鎖などの耽美的ゴシック言語を駆使し、バンド名に至っては特にラ行で始まるフランス語やドイツ語などを用いた難解な命名由来が目立つ。こういったものがヴィジュアル系バンドのキーワードとなるが、音楽性をカテゴライズしたものではなく「お化粧系」「耽美系」という別称からも分かる通り、視覚的な分類形式である。

これは日本固有のスタイルであるが、1970年代の英国グラム・ロックに同様の潮流を見ることができる。代表的なアーティストは、デヴィッド・ボウイやT・レックス。男性がメイクをしてルージュを引き、それまではタブー視されていたゲイやバイセクシャルな雰囲気を醸し出していた。デヴィッド・ボウイはロング・ドレスに巻き毛の女装や宇宙服ファッションといった人格を演じ、ゲイ宣言でカミングアウトしている。国内ではサディスティック・ミカ・バンドの加藤和彦やルージュ(加藤和彦プロデュース)、外道などがグラム・ロックの影響を受けている。

このグラマラスなロック(グラム・ロック)は、ジャパン、カルチャー・クラブ、デュラン・デュランが活躍した80年代初頭に台頭したネオ・グラムことニュー・ロマンティックスに受け継がれる。また、ヘヴィ・メタル勢からは白塗りメイクとド派手な衣装で話題を呼んだキッス、ノイズ・ミュージックを祖とするインダストリアル・ロックからは悪魔主義的な思想を放つマリリン・マンソンなど、ヴィジュアル系に繋がる一側面を持つ源流は多数存在する。

こうしたムーブメントと平行して、1979(昭和54)年に関西で結成されたプログレッシヴ・ハードロック・バンド、ノヴェラが登場する。彼らは関西ヘヴィメタ・ブームの先駆者的存在であり、同時に濃いメイクに王子様然とした衣装は、ヴィジュアル系の走りといえる。 ノヴェラは別冊マーガレットに連載された多田かおるの出世作『愛してナイト』に登場するビーハイブというロック・グループのモデルにもなっている。少女漫画繋がりでは、∧ucifer(リュシフェル)は新條まゆ『快感フレーズ』の企画で誕生したバンドである。

1984(昭和59)年には、ジャパメタ(ジャパニーズ・ヘヴィ・メタル)シーンで、関西インディーズからDEAD ENDが結成している。暗くアグレッシブなサウンドのポジティブ・パンクの導入、ヴィジュアル系の原型ともいえる幻想的な世界観を備えた歌詞とヴォーカルはジャパメタ文脈では収まりきらない完成度の高い音楽性を有しており、ミュージシャンにもファンが多く、ラルクのhydeもフェイバリットする伝説的なバンドである。

こういった資産を背景にして、1980年代後半から1990年代にかけてヴィジュアル系バンドは一大ブームとなるが、シーンを牽引したバンドはやはりX JAPAN(X)であろう。
X JAPANは1985(昭和60)年6月にヘヴィメタ系のバンドを出自として登場し、インディーズ期に於いては『エクスタシー・レコード』の設立、目黒鹿鳴館のワンマン・ライブの成功、オリコン史上初となるインディーズ盤のアルバムをチャートインさせるなど数々の偉業を成し遂げ、メジャー・デビュー後も、東京ドーム公演、4年連続の紅白歌合戦出演、海外進出といった、ビジュアル系を活況へと導く活躍を続けた。

X JAPAN以前より活動を続ける耽美系のBUCK-TICKはもとより、エクスタシーレコード出身のLUNA SEA、GLAYをはじめ、 L’Arc~en~Ciel、黒夢、SHAZNA、MALICE MIZER、PENICILLIN、SOPHIA、PIERROT、Dir en greyらがシーンに続々と登場。その熱狂ぶりは、バンド・メンバーの格好を真似した女性のコスプレファンが集結する原宿神宮橋に於いて、外国人観光客が記念撮影をする日本の名所に数え上げられる程の盛り上がりをみせた。

1999(平成11)年、X JAPANのYOSHIKI(解散後)は「天皇陛下ご在位十年をお祝いする国民祭典」で自作した奉祝曲の演奏を行い、第87-89代内閣総理大臣だった小泉首相はX JAPANの大ファンという。そのファンぶりは自民党のCMに「Forever Love」を採用するほどである。

ヴィジュアル系バンドはそのコスチュームとルックスから色モノ扱いを受けてきたが、いまや、X JAPANは日本を代表する伝説のアーティストとしてロック界に殿堂入りし、GLAYもJ-POPを代表する国民的バンドとして成長を遂げている。成功を掌中に収めた彼らを視覚的な側面だけで捉えたヴィジュアル系バンドと呼ぶ風潮は、もはやない。(2001年12月23日)

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